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会されます。入会されますとボランティアのできる曜日、時間を登録していただきます。支部には必ず事務所を設置し一覧表を置いてます。もし会員から急に助けて欲しいという電話がありましても、事務所にはいつもコーディネーターがおりますので、登録の名簿の中から適当な人を選び出し、電話で交渉し、サービスをお願いした会員の所へ、コーディネーターと共に出掛けます。このように必ず行政単位毎に支部をつくり、事務所にはコーディネーターを置いています。個人個人では週に1〜2回とか週に3〜4時間とかのサービスですが、会としては毎日サービスしている体制を作っています。
今のところ会員の中で、すぐやってほしいという方は少ないので、会員外の方をサービスすることが多くなっています。紹介された方もありますが、市役所、病院、社協等からご依頼のあった時に、原則は会員になっていただいて、サービスを提供するわけですが、収入が少なくて、会費も払えないという方については時間預託も関係なく、交通費もいただかなくて、無償のボランティアサービスを提供することにしています。
この1番典型的な例は阪神・淡路大震災のボランティアでした。WACアクティブ・クラブは昨年(95年)の3月以降仮設住宅等で、多い時で日に10人、少ないときで4〜5人が仮設のお年寄りの話し相手や家事の手伝い等を今でも続けています。これには京都あたりから往復2000円以上の交通費を自分で出して、週に2回ぐらい続けていらっしゃる主婦の方、男性の方もいらっしゃいます。従って完全に無償なボランティアと時間預託を柱にした会員助け合いのボランティアの両方をやっております。預託があれば互いに交換できるのですが、まだ預託が溜まっていないのにやって欲しい、すぐ会員になるのでやって欲しいと言う方には、どうしても事務所の運営経費がかさばりますので、1時間500円の事務所運営費を出していただく、ということにしています。200時間やれば10万円の収入が支部の事務所運営費として入ってきます。こういう仕組みで運営しています。
それから私たちの会は、ボランティアなど今までやったことがなく、たまたま新聞、テレビで見たということで入会された方が多いので、そういう方々の動機付けという意味で、出来るだけ事務所に来てもらって電話の当番などもしていただいています。
また1日介護教室を行いまして、午前中は勉強、午後は車椅子、ベッドを使っての実技の練習をして自信をもたせるようにしています。もう少し技術を磨きたいという方にはWACアクティブ・クラブのホームヘルパー3級の養成講座も行っており、将来は2級も考えています。
これから2つの事例を申しあげます。1つは大阪市内の支部、これは「いちょうの会」という名前で会員は約200名です。ここに会員外の90歳で半身マヒのおばあちゃんがいますが、どうしても手助けがなければ食事も不自由ですので、ホームヘルパーの派遣を大阪市役所に要請しました。そうしましたら2日しか来てくれないのです。そこで残りの5日を「いちょうの会」でお世話することになりました。しかしとても1人では無理ですので、男性2人と女性5人の7人の方が自分のできる時間帯、費用を調整しましておばあちゃんのお世話をしています。おばあちゃんはこれで安心して生活していらっしゃいますし、話相手ができたということでも非常に喜んでいます。
もう1つは、奈良支部のケースですが、身長180cm、体重85?の男性が筋萎縮症になられました。最初は奥様が介助できていたのですが、だんだん病気が進行し1人ではで

 

 

 

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